著作権譲渡・秘密保持契約(NDA)の基本|サインする前に理解しておくこと

副業

はじめに

契約書の中でも、とくに理解しないままサインされがちなのが
著作権の譲渡条項と秘密保持契約(NDA)です。

業務委託契約書の読み方
で「必ず確認する項目」として挙げましたが、
この2つは内容が独特で、知らないまま読み飛ばすと影響が大きいため、
この記事で詳しく解説します。

この記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。
個別の契約内容の判断は、専門家(弁護士等)にご相談ください。


著作権譲渡とは何か

記事を書くと、書いた人(あなた)に自動的に著作権が発生します。
これが業務委託契約では、クライアントに譲渡するのが一般的です。

譲渡そのものは、ライティング案件では普通のことです。
問題は、譲渡の「範囲」と「条件」にあります。

著作者人格権の扱い

著作権には、財産としての権利(複製・公開など)のほかに、
著作者人格権という、著作者の人格に結びついた権利があります。

  • 公表権(公表するかどうかを決める権利)
  • 氏名表示権(名前を表示させる権利)
  • 同一性保持権(勝手に内容を改変されない権利)

著作者人格権は譲渡できないとされていますが、
契約書には「著作者人格権を行使しない」という一文が入ることがよくあります。

これがあると、実質的に

  • あなたの名前を記事に表示しなくてよい
  • クライアントが内容を自由に改変してよい

という状態になります。これ自体は違法ではなく、業界でよくある条項です。
知らずにサインして、後から「思っていたのと違う」とならないよう、
この一文があるかどうかを知っておくことが目的です。

ポートフォリオに載せられるか

著作権を全部譲渡し、著作者人格権も行使しないとなると、
その記事を自分の実績として公開できない可能性があります。

実績を積みたい初心者にとって、これは重要な問題です。
契約前に、「納品した記事を、実績としてポートフォリオに掲載してもよいか」を
確認しておくことをおすすめします。

ポートフォリオへの掲載について、事前にご確認させてください。
記事タイトルと一部抜粋を、実績紹介として使用してもよろしいでしょうか。

多くのクライアントは、匿名化した形(社名を伏せる等)であれば許可してくれます。


秘密保持契約(NDA)とは何か

NDA(Non-Disclosure Agreement)は、
案件で知った情報を、第三者に漏らさないことを約束する契約です。

単独の契約書として結ぶ場合と、業務委託契約の一部の条項として含まれる場合があります。

何が「秘密情報」にあたるか

一般的には、以下のようなものが対象になります。

  • クライアントの未公開の事業計画・商品情報
  • 取材で聞いた、公開前の情報
  • 契約条件そのもの(報酬額など)

「契約条件も口外禁止」というケースは意外と多いため、
X(Twitter)などで「今月の収入◯万円でした」と投稿する際、
案件名や具体的な報酬額に触れていいか、事前に確認しておくと安全です。

秘密保持の期間

NDAには、多くの場合有効期間が定められています。
「契約終了後◯年間」という形が一般的です。

期間が異常に長い(10年以上など)場合や、
「無期限」となっている場合は、内容次第では確認したほうがよい条項です。
必ずしも不当とは限りませんが、把握しておく価値はあります。

ポートフォリオとNDAの関係

NDAがある案件は、そもそも「この案件に関わったこと自体」を公表できない
場合があります。実績として書けるかどうかは、
著作権の話とは別に、NDAの範囲で判断します。

「関わったこと自体は言ってよいが、内容の詳細は言えない」という
中間的な扱いのこともあるため、こちらも契約前に確認しておくと、
後から実績紹介で困りません。


契約前に、この2点だけ確認する

すべての条項を暗記する必要はありません。この2つの質問だけ、
契約前にクライアントに投げかける習慣をつけると、多くの不安が解消されます。

  1. 「納品した記事を、実績として公開してもよいでしょうか」
  2. 「この案件に関わったこと自体を、SNS等で発信してもよいでしょうか」

答えが「NG」でも、それ自体は問題ではありません。
知らずに公開してトラブルになるのを防げることが重要です。


まとめ

  • 著作権譲渡は一般的だが、「著作者人格権を行使しない」という一文の有無を確認する
  • ポートフォリオに載せられるかは、契約前に明示的に確認する
  • NDAは秘密情報の範囲と有効期間を確認する。契約条件自体が対象のこともある
  • 契約前に聞くべきは2つ:①記事を実績公開してよいか ②関わったこと自体を発信してよいか
  • これらは「トラブルを疑う」ためではなく、後から困らないための確認

著作権とNDAは、一度理解すれば毎回同じ観点でチェックできます。
最初の数件で身につけておくと、その後の案件で迷わなくなります。

著作権法や契約実務は変わることがあります。重要な契約は専門家にご確認ください。

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