AI使用はクライアントに伝えるべきか|確認の仕方と、聞かれたときの答え方

ツール・AI活用

はじめに

AIで下書きを作って納品する。この進め方が普通になってきた一方で、
「これ、クライアントに言わなくて大丈夫なんだろうか」と引っかかったまま
仕事をしている人は多いのではないでしょうか。

筆者も最初の案件のとき、まさにここで手が止まりました。
規約に書いていないから聞かなくていいのか、聞いたら不利になるのか、判断がつかない。

結論から言うと、「伝えるべきか」ではなく「確認したうえで、その方針に従う」が正解です。
そして確認は、応募前の数分で終わります。

この記事では、AI使用の可否をどこで確認するのか、
どう聞けば角が立たないのか、聞かれたときにどう答えるのかを、実務の順番で解説します。

なお、AI生成物の著作権そのものについては
AIで記事を書くときに気をつけるべき著作権・ルールの基本
で扱っています。この記事は「クライアントとの関係」に絞ります。


そもそも、隠して困るのは誰か

先に立場をはっきりさせておきます。AI使用を隠して納品するのは、割に合いません。

理由は3つあります。

1. 後から発覚したときの損失が大きすぎる

執筆単価が1文字1円として、5,000字の記事で5,000円。
隠していたことが問題になれば、その案件を失うだけでなく、
評価が下がり、継続もなくなります。数千円のために失うものが大きすぎます。

2. 隠す必要がある案件は、そもそも受けなければいい

AI禁止が明記されている案件に、AIを使って応募する。これは規約違反です。
そういう案件は最初から候補から外せば、隠す必要も、バレる心配もなくなります。

3. 確認するほうが、むしろ評価される

後述しますが、AI使用の可否を事前に確認してくる応募者を、
クライアントは「面倒な人」ではなく「確認を怠らない人」と受け取ることが多いです。


AI使用の可否は、どこを見れば分かるか

プラットフォームによって、確認できる場所が違います。

ランサーズ:案件ページに明示されている

ランサーズには 「生成AI使用」の可否を示す項目があり、
案件ページで「許可する/許可しない」が確認できます。

明示されているので、迷う余地がありません。
「許可する」の案件だけに応募すれば、それで完結します。

AI活用を前提に副業を進めるなら、
この「可否が最初から書かれている」という一点だけでも登録しておく価値があります。
確認のために毎回クライアントへ質問する手間が省け、応募のテンポが落ちません。
まだ使っていなければ、ランサーズに無料登録する
ところから始めておくと、案件選びの判断が楽になります。

登録から初案件までの流れは
ランサーズの始め方完全ガイド
にまとめています。

クラウドワークス:説明文を読む

クラウドワークスには専用の項目がないため、募集要項の本文を読んで判断します。

チェックすべきキーワードはこのあたりです。

  • 「AI」「ChatGPT」「生成AI」「自動生成」
  • 「コピペチェック」「コピーコンテンツ」
  • 「オリジナル」「ご自身の言葉で」

「AI使用禁止」「AI生成文章の納品はお断りします」と書かれていれば、応募しない。
何も書かれていなければ、次の「確認する」に進みます。

直接契約:契約書・発注書を見る

企業と直接やり取りする場合は、
業務委託契約書に「成果物の作成方法」に関する条項があることがあります。
なければ、最初のやり取りで確認しておくのが安全です。


何も書かれていないとき、どう確認するか

ここが一番迷うところです。聞き方を間違えると、印象が悪くなります。

やってはいけない聞き方

AIを使ってもいいですか?

これは避けたほうがいい聞き方です。
「AIに丸投げしようとしている人」に見えてしまい、
クライアントとしては「じゃあ、やめておきます」と答えるのが安全策になります。

実際に使える聞き方

言い方のポイントは、「AIをどう使うか」まで含めて伝えることです。

執筆にあたり、構成の整理や誤字脱字のチェックにAIツールを補助的に使用しております。
本文は自分で執筆し、事実確認も行ったうえで納品いたします。
この進め方で問題ないか、念のため確認させていただけますでしょうか。

この聞き方には3つの要素が入っています。

  1. 使う範囲を具体的に示している(構成整理・誤字チェック)
  2. 人の手が入ることを明言している(本文は自分で、事実確認も行う)
  3. 判断をクライアントに委ねている(問題ないか確認させてほしい)

「使っていいか」ではなく「この進め方でいいか」を聞いている点が違いです。

もっと短く済ませたい場合

提案文の中に、1文だけ入れておく方法もあります。

執筆はすべて自分で行い、AIツールは構成整理と校正の補助にのみ使用します。
AI使用に制限がある場合はお知らせください。その方針で対応いたします。

これなら質問という形にならず、提案文の中で自然に伝わります。


「AIは使っていますか?」と聞かれたときの答え方

選考中や納品後に、直接聞かれることがあります。ここで慌てないように、答えを用意しておきましょう。

悪い答え方

使っていません。

事実と違うなら、これは言ってはいけません。後から問題になったとき、
「AIを使ったこと」より「嘘をついたこと」のほうが致命的です。

良い答え方

はい、構成案の整理と、書き終えた後の校正に使用しています。
本文は自分で執筆しており、事実関係は公式サイトなどの一次情報で確認しています。
ご懸念があれば、使用範囲は調整いたします。

事実 → 人の手が入っている範囲 → 調整の余地、この順で伝えます。

多くのクライアントが心配しているのは「AIを使ったかどうか」ではなく、
「中身を確認せずに、そのまま貼り付けて納品されるのではないか」です。

そこを先に潰しておけば、たいていは問題になりません。


伝えたうえで、信頼を落とさないために

AI使用を伝えても、成果物が雑ならやはり評価は下がります。
逆に言えば、品質で不安を打ち消せれば、AI使用は問題になりにくいということです。

最低限、この3つは自分の手でやります。

工程 やること
事実確認 数字・固有名詞・制度は公式サイトで裏を取る
表現の調整 AI特有の言い回しを、読者に合わせて書き直す
構成の点検 話の順番が読者の疑問の順になっているか見直す

具体的な手順は
AIライティングの推敲・校正術|納品前チェックリストで品質を担保する
にまとめています。


まとめ

  • 「伝えるべきか」で悩まず、「確認してから、その方針に従う」
  • ランサーズは案件ページに可否が明示されている。許可されている案件だけ受ければいい
  • クラウドワークスは募集要項を読む。記載がなければ確認する
  • 聞き方は「AIを使っていいか」ではなく、「この進め方で問題ないか」
  • 聞かれたら、事実 → 人の手が入る範囲 → 調整の余地の順で答える
  • 嘘をつかない。AIを使ったことより、隠したことのほうが問題になる

確認は応募前の数分で終わります。
その数分で、後々のトラブルの大半は避けられます。

各プラットフォームの規約や表示項目は変更されることがあります。
最新の内容は、必ず各サービスのヘルプセンターや利用規約でご確認ください。

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